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Eighteen, Miraculous Gift, SP, Maplopo

Eighteen (Part Six)

This is the final portion of a story I wrote about a day in the life of an eighteen-year-old highschool girl and the older brother she loves so much. If you missed any prior installments, visit the links below!

Part OnePart Two, Part Three, Part Four, Part Five

18 

——前回からの続き

あの晩初めてジョンさん一家が、家族全員揃って私たちの家に来た。犬の散歩で会うときに少し会話することはあっても、まさか夕食をはさんで、この異国情緒漂う人たちと数時間一緒するとは想像もしなかったので、兄以外の家族のみんなは大いに緊張した。ジョンさんの日本語は自分でも「五パーセント」と公言している通り、私たちが日本語で話している間はキョトンとしていた。そんなジョンさんのために百合子さんと琴子ちゃんと兄が、代わり番こで通訳をした。

この晩一番おもしろかった発見は、琴子ちゃんが九つも歳の離れた兄に、猛烈に恋をしているということだった。

「バレンタインの前の晩はほんま大変やったんですよ」百合子さんが笑いながら皆に伝えた。「ジョンと琴子がキッチンでわいわいぎゃーぎゃー言うて。五時間くらいやってたんちゃいますか。お兄さんの好きな、アイリッシュ・ウイスキーの入ったチョコレートボンボンを作るんや言うてね。ジョンが何かしくじるたびに、琴子がきーきー怒って。ジョンは味見や味見や言うて、ウイスキーでどんどんご機嫌になってくるし。ジョンがつまみ食いしたのか、後の工程で使うはずやったブロックチョコレートの数が足りひんって、私は店に買いに走らされましたわ」

「違うんよ。あんなに時間かかったんは、冷蔵庫で冷まして、せっかく出来上がったチョコレートの殻を、お父さんが落として粉々にしてしまったからよ。チョコレートの型のお皿を、揺らしたらあかんって言ってるのに揺らすから、すこーんと飛び出してしまって、せっかく作った殻がおじゃんになってしまったんよ」琴子ちゃんが顔を真っ赤にして弁解した。

琴子ちゃんは終始顔を赤らめ、兄が何か話し出すと、一言一句何一つ聞き漏らすまいと、全神経を集中させ、その深海ような瑠璃色の瞳で兄の顔をじっと見つめた。あまりにも熱い妖艶な視線だったので、兄の額に穴が穿たれてしまうのではないかと思うほどだった。私はこの子を見るたびに、これこそが完全無欠、十全十美、天が生み出す神聖な創造物…とでも説明文をつけ、そのまま美術館に収めてしまいたい気持ちになる。私はこんなに美しい女の子を見たことがない。両親のいいとこどりをしてできた珠玉の芸術作品だ。美しいつややかな黒髪、陶器のような純白の肌、すっと鼻筋の通った形のいい彫刻のようなお鼻、きゅっと締まった小さな逆三角形の顎、そしてあの海を想像させるブルーサファイアの瞳——こんなに美しい子から好かれる兄は世界中の男性からひんしゅくを買うことだろう。

琴子ちゃんは明らかに照れ屋さんだった。ジョンさんを通訳しているときも、兄が途中で何か口をはさむとその途端、英語と日本語がぐちゃぐちゃになって、それに気づくとさらに赤くなり、肩を縮めて下を向き、もごもごと言葉にならないことを呟いていた。ジョンさんと百合子さんは、二人そろってよくお酒を嗜むと見え、自分たちの持ってきたマルベックの赤ワインとシャルドネの白ワイン、それに父がこの日のために用意した「梵」の大吟醸を大絶賛し、かなりいいペースでグラスをあけていた。驚いたのは、ジョンさんと百合子さんは私の生きてきた年数分、つまり十八年も歳の開きがあるということだった。ジョンさんは琴子ちゃんを母親譲りといってからかった。

「琴子は百合子に似て、どうも年上好みのようだな。はっはっは。この子は小さい頃によく読んで聞かせたロバート・スティーヴンソンの『宝島』が大好きでね、それからは海の男と結婚するんだって、ずっと言っていました。日本だったら海の男とは漁師ですかね。琴子は将来漁師に嫁ぎますね。はっはっは」

「そんなこと言わんでええのよ、お父さん!」琴子ちゃんは頬を赤らめて可愛らしく抗議した。

ジョンさん・百合子さん夫妻は何とも不思議なカップルだと思う。二人の外見も育ってきた国の文化も両極端にあると思えるのに、こうやって幸せに結ばれたのだから。ジョンさんは、美術の教科書に出てくる西洋絵画のヨーロッパ人を現代風にしたような風貌で、私のイメージする典型的西洋人だ。一方、百合子さんは純和風といった感じで、優美だが大人しい顔のつくりをし、豪華さや派手さを象徴するのはひとつもない。和服を着せて、髪の毛を結い上げたら、そのまま明治大正時代の美人画家のモデルになりそうだ。そのことを私が言ったら「よく、古典的な顔って、言われます」と、はにかんで優しく笑った。そんな二人がまったく予期せずに出会い、お互いに引かれ合い、人生を共にすることになるのだから、人を好きになることに条件などないのかもしれない。

ジョンさんが二人の馴れ初めを聞かせてくれた。「当時、私と百合子は同じ大学に勤めており、私はインターナショナル・プログラム事務局に、百合子は入学事務局にいました。ある日、出願期限を過ぎて入学を志願している韓国からの留学生の手続きに関して、私のいる事務局に百合子がやって来て、自己紹介をしました。「あなたがジョンさんですね。始めまして、ユリコです」そう言ってにっこり微笑んで、こうやって左耳に彼女の美しい黒髪をかけたんです。実は、私はそれまで日本人に出会ったことがありませんでした。私の故郷はニュージャージー州の、いわゆる田舎町で、成人するまではほぼ白人で成り立つ社会に育ちました。ですが、百合子が「始めまして、ユリコです」と言った瞬間に、私はもう恋をしていました。たったそれだけの言葉と仕草で、ああ私はこの女性が好きだ、と直感したんです。自分でもなぜだか分かりませんが、もうその時から彼女のことが頭から離れなくなっていました。百合子は私への、天からの贈り物です」

百合子さんは、自分が今まで出会ってきたあらゆる国のあらゆるタイプの人の中でも、十八も歳上のジョンさんが一番一緒にいて落ち着くし、ジョンさんほど話の合い、波長の合う人はいないと言った。百合子さんは実は、ジョンさんに出会った時、アメリカで別の人と結婚をしていたのだ。しかしその結婚生活のぎこちなさに、ずっと気づいていて気づかぬ振りをしていた。ジョンさんはそんな百合子さんを根気よく待ち続け、百合子さんの離婚が正式に成立した三年後に、ようやく結ばれた。

ジョンさんと百合子さんの話はなんだか夢物語のようだ。二人は広い海を越え、人生の良き伴侶、お互いを認め合え高め合える最良のパートナーを見つけたのだ。私には、兄以外で、本当にそんな人が見つかるのか分からない。そんな人など、この世には存在していないような気がする。百歩譲って、万が一存在していたとしても、私がぐうだらで怠惰なせいで、そういうチャンスをも逃してしまいそうな気がする。私はいいかげん成長しなくてはならない。私はいつまでも兄のシャボン玉の中で、蚕のように繭に包まれ、幼いままここに安住しているのは許してもらえない。地球上のすべての生命が、何かしら変化しながら、一つの段階から次の段階へと成長し老いていくように、私だって地球上に存在する生命のひとつとして、その法則に従っていくのが筋なのだろう。私はいよいよ勢いよく兄のシャボン玉を割り、やい!と飛び出していかなくてはならない。

ここまで考えると、私は少し気落ちするとともに、だんだんむしゃくしゃしてきた。こういうふうに考えることが、「あなたはこうしなさい」と顔の見えない誰かに強制されているみたいで、サイズの合っていない下着をつけているような不快感が押し寄せる。もう何もかもすべてが嫌になってきた。このままどこかずっと遠いところへ逃げ出したい。誰もいない、兄すらもいない、遠い遠いところへ行きたい。そこで、マッキントッシュやツピダンサスのように、無為自然に、寿命が尽きるまで美しく日々をやり過ごすのだ。

「ゆらは、大学行きたいんか」煙草の煙を吐き出しながら、唐突に兄は聞いた。

「え?大学——?わからへん…… たぶん……。でも、私は特に勉強したいことなんてないし、わざわざお金出してもらって行くことないんかもしれへんし。なんで、このタイミングで、今そんなこと聞いてくるんよ、お兄ちゃん。お兄ちゃんには夢があるかもしれんけど、ゆらにはそういうのが見つからへんねん。なんでお兄ちゃんはそんなにホイホイと好きなこと見つけられて、すぐさまそこに突き進んでいけるん?ゆらは、自分は何が欲しいんか、何がやりたいんか、自分でも分からへん。もう嫌や!」私はどんどんやけくそになってきた。ぐいっとウイスキーコークを傾けた。頭が朦朧としてくる。

「お前は本を読むことが好きやないか。漢字にやって興味あるって言うとったやん」兄が諭した。

本は確かに好きだが、別に読むのが抜きん出て得意だとか、本を読むのが心の糧だとかのレベルでは全然ない。暇つぶしに読んでいるだけだ。漢字にしたって同じだ。私にしたら英語の横文字よりかは、数千年前に古代中国でつくられ、現代まで連綿と続いてきた歴史ある文字のほうが、多少はしっくりくるというだけだ。数は膨大だけれど、一つ一つの漢字の、一点一画にはちゃんと細かく意味があり、そこにひそむ古代人の世界観にちょっと興味があるだけだ。でもそこを、兄みたいに大学へ行って研究したいなんて思わない。そこまでのガッツは私にはない。私はまた、ウイスキーコークを口にした

兄は続けた。「考えてみろ。お前も学校で日本史の勉強をしたやろ。昔は、百姓は百姓でしか成りえへんかったり、関白様のご機嫌一つで島流し食らったり、命令されたら、理不尽に切腹までせなあかんかったんやぞ。それを考えると、俺らなんてえらい恵まれた時代に生きてると思わんか。どうにでも自分で自分の進む道を切り開けるし、可能性やってどんどん広げられるし、自分の脳みそも、好きなだけ活性化できるんやぞ。俺らは、昔の人がえらい羨ましがるような時代に生きてるんや。ゆら、お前はそういうとこを押さえなあかん」

「お兄ちゃんの言ってること、ごもっともで正論やけど、ゆらはそういう考え方ができひんねん。私はきっと生まれてくる時代間違えたんやわ。そんなん言うんやったら、安土桃山時代の誰かと代わってあげたいわ」

「あほ。お前は考えの詰めが甘い。逃げたらあかん。捨て鉢になるな。お前は心か綺麗なんやから、キラッと光るもんをもってるんやから、そこを大事にしていきなさい」兄も、いつの間にかウイスキーロックに切り替わっているグラスをぐいっと傾けた。グラスの中で琥珀色のウイスキーが揺らめいた。「お前ならできる。まあなんと言うても、俺の妹やからな」

私は何も言わなかった。

「そういやお前覚えてるか。昔、家にあった西郷隆盛の小さな銅像の置き物、犬従えて直立してるやつ。おとんの書斎か図書室にあったやつや。ある日俺が、あれをお前に見せて『ゆら、これは西郷隆盛さんと言ってな、犬を連れて初めて日本を一周した人なんや。めちゃめちゃ有名やから、よう覚えとけよ』って言うたら、お前は、ほんまにそれ信じて、次の日クラスで発表して、担任の先生にも生徒にもえっらい笑われた話。あれには、ほんま笑たわ。なんでそんなん信じんねん!ありえへんやろ。あっはっは!」

事実だった。あの後怒り狂った私は、丸二日間、兄と口をきかなかった。「お兄ちゃんの言うことは何でも信じてしまうもんなんよ!妹というのは!」

兄はよく、こう口を大きく開けて「あっはっは!」と豪快に、本当に心から楽しそうに笑った。この胸のすくような大きな笑い声も、もう聞けないんだと思うと、少し前に保存していた悲しさがまた込み上げてきた。同時に自分でもよくからない、理不尽で激烈なむしゃくしゃが込み上げてきた。

私は言った。「小さな頃の思い出言うたら、お盆の時に見た『蜘蛛の糸』の映画覚えてる?安楽寺の本堂で、真っ暗のなか観たやつ。あの、犍陀多の『降りろー!降りろー!』のは、ほんま怖かったよな。あんなん小さい子が観たら、トラウマになると思わへん?お兄ちゃん、あれの真似めっちゃ上手やったけど」

「ああ、あの『降りろー!降りろー!』な」犍陀多の、この世のすべての憎しみを背負った恐ろしい怒鳴り声を、兄は上手に真似た。

「でもあれよう考えたら、酷い話やと思わへん?お釈迦様は、ある一人の罪人を、蜘蛛を一匹助けたというだけのことで、糸垂らして救い上げようとしたけど、あんなん、犍陀多以外にも糸見つけた人は同じように上ってくるの分かってるやん。もし、自分の後をついて上ってくる者を見た犍陀多が、『よっしゃ、ええで、あんたらなんにも良い事したことない、極悪人中の極悪人集団やけど、というか自分もやけど、まあええやろ、とりあえず皆で上がってみよか!』言うたらよかったん?そんなこと、言うわけないやん。百歩譲って、いや千歩譲って言うたとしても、極楽の人らは、ぞろぞろと犍陀多と一緒に上がってきた極悪人集団を、どうするつもりやったんよ。さらに糸垂らした張本人のお釈迦様は、どう責任とるつもりやったんよ。『あ、ごめんや。すんませんな、私が助けようと思ったんは、あんまし他の者と変わらんような、似たような罪人やけど、蜘蛛を一匹助けただけまだマシな、この犍陀多っていう男やねん』って言うつもりやったん?それを聞いた他の極悪人は納得して、『ああ、そうでっかー。えらいすんません。しんどい思いして這い上がってきたのに、なんてことや。ひどい時間と労力の無駄でしたわ』って、するする下りていくと思ったんかな。そんなアホな話ないわ。それでもし極悪人集団が駄々こねて自主的に下りてくの渋ったら、お釈迦様は、犍陀多以外の何千人という罪人を一人ひとり蹴落としていくつもりやったん?そんな不道徳な!」私はここまで淀みなく一気に言った。段々ヒートアップしていくのが分かった。頭の中の血が一箇所に集まりむしゃくしゃして、もう誰彼なしに文句をつけたい。こんなことは初めてだった。目の前のウイスキーコークにも腹が立った。

兄が言った。「お釈迦様もあながち二日酔いで頭が冴えてへんかったんやろ。それか、朝からもうどっかで一杯ひっかけてきてたんやろ。そこで、ほーらよいっとちょっとお茶目に酔っ払って、糸垂らしたんちゃう」

「ふふふ、それおもろいな。あはは」私はおかしくて声をあげて笑った。兄のこういうとんちの利いたところが大好きだ。「なんにせよ、あかんわ、あれは。あんなん芥川龍之介のキャストミスや。お釈迦様使うんやったら、もっと詰めなあかんわ」

兄は黒く長い睫毛をふせ、口を閉じて笑っていた。明日からはこのテーブルで、こんなたわいない話を兄とはできない。兄がこのテーブルで、私を励ましてくれることも、笑わせてくれることもなくなる。兄は私の前からいなくなる。

「お兄ちゃん」

「なんや」兄はふせていた目を上げて真っ直ぐにこちらを見た。

「煙草、一本吸わして」

「は、何言うてんねん。ほんまに、おかんに怒られんぞ」

「ええのよ。これをきっかけに煙草を始めるような度胸は、私にはないんやから。ただ、このひとときだけ吸いたいんよ」

兄はしばらく黙って、野生動物を思わせる茶色がかった瞳——縁が黒で中が茶色の瞳——を私に据えていたが、そっと何かを悟ったらしく、トントンとラッキーストライクの箱から一本煙草を取り出して、吸い方を教えてくれた。それを私に渡して、私が煙草のフィルターに口をつけ、ちょっと前のめりになって待っていると、慣れた手つきでライターのふたを開けそのまま親指でやすりを回し、シュッと火をつけてくれた。私は今教えてもらった通り、最初の煙を一、二回ふかしてから、次に吸い込んだ時、煙を鼻からすーっと流し込み、喉からも、息を吸うように勢いよく肺へ流し込んだ。

「げほっ、げほっ、げほっ」一気にむせた。

「ほらみろ。言わんこっちゃない」兄は笑ってこっちを見ていた。そして立ち上がって流しに行くと、その横にある浄水器の水差しから、私のマグカップに水を注いだ。

「げほっ、げほっ、げほっ」喉がちくちく痛むような気がする。私は涙目になりながら、何としてもこの一本を正しいやり方で吸い切る覚悟をした。これは私が兄からもらう最初で最後の煙草だ。私は無理くりに煙を肺に流し込んだ。注いでくれた水をもって、笑いながら私の方に戻ってくる兄を、涙の溜まった目で見上げると、その笑顔が小さい頃の兄の顔とかぶった。この笑顔はどこかで見たことがある。あの日——学校が休みの土曜の昼下がりだった。私が自分の部屋でリカちゃん人形の着せ替えをして遊んでいると、兄が突然私の部屋に来て、扉から首を出し「ゆら、ちょっと来てみ」と手招きして自分の部屋に呼んだ。リカちゃんを置いて、兄の部屋に行くと、兄は大きな窓の前に立っていて、「ほら、見てみ」と山のほうを指した。そこには大きな虹がかかっていた。「めっちゃくっきり見えてるやろ。ほら、こっちの下のほうから、反対側の下のほうまで全部見えてる。こんなん初めてや。すごいな!」兄はそう言って、とてもうれしそうな顔で笑っていた。私も一緒になって、この七色の帯の大きなアーチに見とれた。

できるなら、もう一度、二人とも小さかったあの頃に戻りたい。家の中が私の世界のすべてで、隣の部屋にはいつも兄がいて夕食時になるとみんな揃って食卓に集まり、何も私を煩わすものはなく、私の心は静かな湖のように、周りを囲む背の高い木々に守られていた頃。図書室の棚にあるオルゴール箱——蓋を開けると「イッツ・ア・スモール・ワールド」が流れるオルゴール箱のように、一曲が終わっても、ねじを巻いてもう一度同じ曲を流して、私はそこで永遠に同じ時間を繰り返し繰り返し過ごしていたい。

自分の煙草から出る煙のもやもやに紛れていると、兄の記憶の全部が、あとからあとから、まるで八ミリフィルムで撮られた小さな頃の映像を、カタカタカタカタと映写機で壁に映し出しているように、私のまぶた裏に流れていった。図書室で役になりきって、滑舌よく文章を読み上げる兄。日曜学校のお経の途中で、痺れた足をこっそり崩し、笑って目配せする兄。ミルが死んだ後、観音山の滑り台を、長く長く滑り下りていく兄。懐かしいあの頃を思い出しながら、私がひとつひとつ大事にしまってきて、私だけが知っている兄の夢を、今夜、見るかもしれないと思った。

Reiko Kane

Author and
Co-Founder, Maplopo

Reiko Kane, Author and Co-Founder, Maplopo

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