BIG FISH

FRIDAY MOVIE NIGHT

2021年が終わり、新しい年を迎えた。去年は多忙・多忙・多忙で、何かしら時間に追われるし、やりたいことが十分にしきれず常に消化不良な感じであったけど、今年はもう少しゆとりを持ちたいと思う。今まで敬遠していたことにも挑戦してみてもいいかなと思いだした。

例えば映画。私は根っからの本派であるが、Dは映画派といってもいいくらい、けっこう本格的にFilmが好き。私と出会う前は毎日1本は見ていたとのことで、映画にはすごく詳しい。私も見ていた時期はあったことはあったが、暇つぶしというのに近く、そしておもしろい映画ならいいのだが、つまらない映画であったときのじーっとそこに坐ってなければならない苦痛がどうしても肌に合わず、愛想をつかしてしまっていた。

でも、もしかしたらDと一緒に見るとなるとまた何か違ってくるかも!そう考え直して、今年は毎週金曜日をムービーナイトとし、見たい映画を毎週1本選び、ポップコーンを用意して、ベッドを適当な位置に置き換え、「映画」という、これもまたひとつの芸術の形であるそれを堪能することにした。

私はあることが決まると今までの自分の主義をも忘れて、うきうきワクワクしてしまうタチで、その日のお昼過ぎぐらいから「今日はムービー・ナイトやね!」と子どものようにはしゃいでいた。「ポップコーン買いに行かな」「コーラとアイスクリームも!」と、映画そのものより、そのとき過ごせる時間が楽しみなのである。 その晩、夕食を手早くすませて、さっそくポップコーンを作った。ポップコーンを粒の状態からお鍋にいれて火にかけて作ったことのある人どれぐらいいるだろうか。私はもちろん初めてで、どう出来上がるかワクワクしていた。コーンに油を浸み込ませ塩をふって鍋に蓋をし中火にかける。それから根気よく揺すぶる。Dが、男の力で気合をいれて鍋をゆすること2分。ポンポンっと本当にコーンが弾け始めて、念願の代物が完成。鍋ごと2階へ持っていくことにする。そしてELVANのトリュフ・チョコレートを大量に器に盛って、コーラとグラスを抱えてシアタールームへ!

この日選んだのは、ティム・バートンの “BIG FISH”。 自然の光に映るアリソン・ローマンの美しさが印象的だった。そして水仙!一面に広がるイエローの水仙畑とその中でユアン・マクレガーが未来の妻に愛を告白するシーンには、まあなんという偶然…!とDと驚きの目を交わした。次の翻訳で取り組もうとしている物語が、太宰の「水仙」であるから。うちらにはこういう偶然が実はけっこうある。

この映画では「人を助けるのが好き」と自分の信念に一直線のエドワードから良い刺激を受けた。そういう信念があって、毎日を一生懸命生き、関わってきた人と温かい関係を結んできたからこそ、彼のお葬式には彼を知るたくさんの人が集まり、彼の出立ちを心から悼むのだろうなと思った。そういう生き方ができたのは幸せなことであるし、自分には果たしてそういう生き方ができるだろうか…と考えさせられた。

来週は、インディアナ・ジョーンズ!

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